Activities abroad海外での活動記録

ビリラン島小学校教室建築支援事業

水戸西ロータリークラブではフィリピンのビリラン州ナバル市アルメリア地区のロオック小学校の教室建築を支援するため、松崎保元会長ら7名のメンバーが現地を訪問しました。これは2008年夏に例会で卓話をいただいた陶芸家の星見晴雄氏たちシーブリーズ・アミーゴズが20年来行っているフィリピンの子供たちへの支援事業を援助するためです。

 

一行は2009年2月11日成田を出発しセブ島へ。翌12日の朝、セブから高速船でレイテ島オルモックを経由し、そこから車をチャーターし現地に向かいました。レイテ島は太平洋戦争の激戦地で多くの日本の将兵が戦死された所です。途中にある日本兵の慰霊碑を参拝しました。ビリラン島はレイテ島の北にある淡路島位の大きさの島でレイテ島とは橋で繋がっています。1日がかりの長い道程の末、夕刻に目的地のシーブリーズロッジにやっと到着しました。

 

13日午前中は近くの貧しい部落に行き日本から持参した子供服などの古着や学用品を配布、午後からはロオック小学校の児童も参加して教室建設資金の贈呈式を行いました。フィリピンでは子供の数が多く学校の施設が足りません。ロオック小学校でも約180名の生徒に対し教室が不足しており2部授業をしています。そのために今回は教室建設を援助することにしました。あいにく雨のため式典はロッジの食堂で行われましたが学校関係者はじめ教育長や地区長も参加し児童が演じるバンブーダンスなどで大歓待を受けました。

 

翌14日早朝にシーブリーズロッジを発ちセブで再び1泊し15日夕刻水戸に帰着しました。ビリラン島は遠いところですが、未開のため自然が豊かで風光明媚な所です。この時の訪問で現地の教育の窮状を実感しました。しかし田舎の子供たちは貧しくても明るく純心で礼儀正しく活発でたくましく生きています。ビリランの子供たちガンバレ!


第一師団工兵第一連隊慰霊碑に参拝


シーブリーズロッジ


貧民部落の子供たち


子供達に古着を配る福地、田口会員


松崎会長から教室建設資金の贈呈


インタビューを受ける鈴木会員


小学生達による歓迎のバンブーダンス


ナバル市の繁華街

 

2009年の秋にシーブリーズロッジの管理人パストゥール氏から教室が完成しましたという嬉しい便りがあり、その写真がインターネットメールで送られてきました。土の上にブロックの土台、ベニヤ板の壁、バナナの葉で葺いた屋根のシンプルな教室ですが関係者一同大変喜んでいました。予算が余ったのでトイレも造ったとのことでした。トイレにも水戸西ロータリークラブの名が記されていますが、何故かドアには星見氏とパストゥール氏の名前が描かれています。寄贈した1000米ドルで教室とトイレが完成しました。

 

完成した教室を確認するため、2010年の正月休みを利用し私(石田)と星見氏は再びビリラン島に行ってきました。水戸ホーリーホックのGK本間幸司選手も同行し子供達に喜ばれました。現地で早速、星見氏が作成してくれた水戸西RCと記銘されえた陶板を教室の外壁に取り付けてきました。


星見氏作成の記銘陶板


これが噂の変なトイレ

 

シーブリーズロッジとロオック小学校にはパソコンが一台も無いために、これまではパストゥール氏が10km位離れたナバル市内のインターネットカフェまで出向いてメールを送信していました。今回は彼らの希望もあり中古のノートパソコンを3台持参し贈呈しました。

 


貧しい子に古着を贈る本間選手


ロオック小学校生と本間選手

 

また今回、小学校との橋渡しをしていただいたパストゥール氏から水戸西RC宛に感謝の手紙と会計報告書を預かってきました。報告書には木材やコンクリートや釘を何キロ使ってその単価まで仔細明朗に記載されています。

発展途上国に金品を支援するのには難しい面が多数あります。相手国の物価や社会環境や生活水準も分からずに相手の求めるまま金品を渡したらそのほとんどが地元の有力者の懐に入ってしまったとか、贈った支援物資が目的通りに使われずに売られてしまったなど、日本の常識では考えられないようなしたたかな酷い実話も時々見聞します。また個人やクラブの単独での支援は限りがあります。その限られた援助を有効に使ってもらうには、施すという上からの目線ではなく、現地に赴き地元の人々と積極的に交流し相手を理解し親交を深めることがロータリークラブの提唱する国際奉仕の一つの在り方ではないか考えます

(2010.07石田哲郎)